SDカードのデータ復旧が必要なら
普段使っているSDカードからデータが消えたり、急に故障して使えなくなったりしても慌てないでください。大切なデータを復旧して取り戻す方法はまだあります。
SDカードのデータトラブルには物理障害、論理障害の2種類が考えられます。物理障害や大切なデータが保存されている場合は、データ復旧業者に依頼するのがおすすめです。逆に、軽度の論理障害の場合はデータ復元ソフトを使って、自分でデータ復旧することも可能です。
まずは落ち着いてデータトラブルの種類を確認し、対応を検討しましょう。
データトラブルの種類
SDカードのデータ復旧が必要なトラブルは2種類に分けられます。論理障害と物理障害です。それぞれの障害の特徴について解説します。
論理障害
論理障害とは誤ったデータの削除やフォーマット、内部システムの異常による障害のことです。SDカードが物理的に破損していない障害全般を論理障害と呼びます。SDカード自体には正常にアクセスできるが、データが見られなかったりアクセスできなかったりするケースは論理障害に該当します。
論理障害は復元ソフトでデータ復旧できるケースもあります。
物理障害
物理障害とはSDカードが物理的に破損し、認識できなくなっている状態のことです。SDカード自体が機能せず、データにアクセスできないケースは物理障害に該当します。
折れ曲がりや接続部分の破損、過電圧、水没、経年劣化などが考えられます。SDカードは薄くコンパクトに設計されているため、ちょっとした取り扱いで破損してしまうことがありますので注意しましょう。
物理障害は、データ復旧業者に依頼しないと復旧は困難です。
データ復旧できる仕組み
SDカードだけに限らず、データデバイスの保存の仕組みは「データの番地」「実際のデータ」に分かれています。パソコンでゴミ箱からデータを削除した場合、削除されるのはデータの番地です。番地が消えたのでデータが削除されたように見えるだけです。
しかし、実際のデータはSDカードに残っている状態です。この状態でデータ復元ソフトを使用するとデータが復旧できます。
SDカードのデータ復旧の方法
SDカードのデータ復旧方法には「データ復元ソフトを使って自分で行う」「データ復旧業者に依頼する」の2種類があります。
データ復元ソフトを使って自分で行う
有料や無料でデータ復元ソフトが数多くリリースされています。これらのデータ復元ソフトは、自宅のパソコンにインストールして初心者でも使えます。有料のデータ復元ソフトの費用は数千円から1万円程度です。無料のフリーソフトならただでインストールできます。
しかし、データ復元ソフトで失敗しても自己責任です。データ復元ソフトは手軽ですが、失敗した場合のリスクを検討しておきましょう。
データ復旧業者に依頼
もっとも確実で安全なのはデータ復旧業者に依頼することです。データ復旧業者は物理障害、論理障害問わずデータ復旧を請け負っています。店舗を構えているデータ復旧業者も存在しますので、住んでいるエリアで探してみましょう。
データ復旧業者によって料金にバラツキがあります。SDカードのデータ復旧は1万円から数万円までさまざまです。
データ復元ソフトを使う場合のポイント
データ復元ソフトを使ってSDカードのデータ復旧する場合のポイントは以下です。
- 費用が安くすむ
- 物理障害は対応できない
- 症状を悪化させる場合も
データ復元ソフトは軽度の論理障害にのみ対応しています。ケースバイケースで使い分けましょう。
費用が安くすむ
データ復元ソフトは有料の安いもので数千円、高いものでも1万円程度です。また、無料のフリーソフトが数多くリリースされています。自分で復元ソフトを使ってデータ復旧するなら費用は安くすみます。
ただし、無料の復元ソフトはデータスキャンを行い、実際のデータを復元するときに有料になるケースがあります。完全無料を望むならよく調べましょう。
物理障害は対応できない
データ復元ソフトが対応しているのは軽度の論理障害までです。SDカードの水没や破損といった物理障害には対応していませんので注意しましょう。
くわえて、論理障害の場合でもデータ復旧の保証はありません。データ復旧できるかどうかは障害状況によって大きく変わります。
症状を悪化させる場合も
データ復元ソフトを利用した場合、スキャンによってSDカードに負荷をかけてしまうことも考えられます。そうなると症状が悪化してデータ復旧がより困難になります。
重要なデータの場合はデータ復元ソフトではなく、データ復旧業者に依頼することをおすすめします。
専門業者に依頼する場合のポイント
データ復旧業者に依頼する場合のポイントは以下です。
- 物理障害・論理障害問わず対応
- 完全成果報酬の場合も
- 復元できる可能性が高い
重要なデータがSDカードに入っている場合は、データ復旧業者に依頼するのがおすすめです。
物理障害・論理障害問わず対応
データ復旧業者の多くは幅広いSDカードのトラブルに対応しています。論理障害のみならず、物理障害にも対応していることがほとんどです。専門的な機器や特別なソフトウェアを利用して、データ復元ソフトでは対応できない難易度の高いトラブルに対応しています。
完全成果報酬の場合も
依頼されたSDカードのデータ復旧ができなかった場合、費用を請求しない完全成果報酬のデータ復旧業者もいます。多くの業者は復元できるかどうかの見積もりが無料です。まずは依頼してみましょう。
料金体系は最初の問い合わせでしっかり確認してください。
復元できる可能性が高い
データ復旧業者はデータ復元ソフトに比べて、SDカードのデータが復旧できる可能性が高いです。より安全、確実を求めるなら実績や設備を明記している業者に依頼するのがおすすめです。
SDカードをデータ復旧する場合の注意点
SDカードでデータトラブルが起きたときの注意点について解説します。
フォーマット・上書きしない
SDカードのデータトラブルでは、間違ってフォーマットしたり新しいファイルを上書きしたりしないようにしましょう。特に、フォーマットは致命的になりかねません。フォーマットにはクイックフォーマットと上書きフォーマットがありますが、上書きフォーマットをするとデータ復旧が困難になります。
SDカードが不具合を起こしていると、フォーマットを促すようなメッセージが流れることがあります。このメッセージ通りにフォーマットすると、データ復旧ができなくなるケースが多いですので注意しましょう。
バックアップを取る
SDカードに重要なデータを保存するときは、別のデータデバイスにバックアップを取るようにしましょう。バックアップを取っておけばデータトラブルに陥っても安心です。
SDカードのデータトラブルが起きたら
SDカードのデータトラブルが起きたらまず、SDカードをフォーマットしたり上書きしたりしないように気をつけましょう。SDカードをパソコンが認識できているなら論理障害、そうでない場合は物理障害が疑われます。
論理障害の場合は、データ復元ソフトでデータ復旧が可能なケースが多く見られます。費用対効果からもデータ復元ソフトを試してみましょう。逆に、重度の論理障害や物理障害の場合はデータ復旧業者に依頼するしかありません。
論理障害でも重要なデータの場合は、安全で確実なデータ復旧業者を利用するのがおすすめです。