NASが故障!データの取り出し手順を徹底解説!

ネットワークHDDがトラブル!データ復旧方法

ネットワーク接続できるNASは便利ですが、故障してしまうこともあるでしょう。故障した場合、NASの中にある大事なデータが取り出せるのか不安になってしまいますよね。

そこで当ページでは、故障したNASのデータ取り出し方法について解説します。Windows・Mac両方のデータ取り出し手順を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

NASからデータを取り出す前に確認すべきこと

NASからデータを取り出す前に確認すべきこと

NASの故障は、NAS本体の故障の場合、データを復旧できる可能性は高いです。しかし、故障したNASからのデータ取り出しは、そもそもデータ取り出し可能なNASなのかを確認する必要があります。

NASのデータ取り出しに関する条件

故障したNASのデータ取り出しに関する条件は、以下の通りです。

データ取り出し可 データ取り出し不可
OS Linux Linux以外
パーティション形式 ext3, ext4, XFS ext2, JFS, Fat, Fat32
文字コード UTF-8, Shift_JIS UTF-8, Shift_JIS以外
RAID ソフトウェアRAID ハードウェアRAID
RAID種類 通常モード, RAID0, RAID1, RAID5, RAID10, JBOD QNAP社の製品でストレージプールを設定している

また、表のデータ取り出し不可以外にも、データの取り出しが難しい場合があります。それは、例えば下記の場合です。

  • 暗号化されたデータが入っている
  • パスワードロックをかけている
  • HDDをフォーマット
  • 異音やショート等物理的な故障

これらの状態は、物理的な故障やNAS本体の故障以外の問題もあるため、業者に依頼をしたとしても難しい場合が殆どです。

ここまで、故障したNASのデータ取り出しに関する条件を確認しました。

もし、あなたのNASがデータ取り出し可能な場合、以降に紹介していく方法を利用することで、データ取り出しが可能です。

しかし、データ取り出しが不可のNASが故障した場合、残念ながらデータ取り出しは難しいでしょう。

しかし、業者によっては対応してくれることもあるので、自分での対応を諦め業者に依頼することをおすすめします。                             

故障したNASからデータを取り出す手順

故障したNASからデータを取り出す手順

それでは、故障したNASからのデータ取り出し手順を紹介します。

PCがWindowsの場合は、「Ubuntuを使用した方法」と「VirtualBoxとUbuntuを使用した方法」の使用が可能です。

しかし、Macの場合は「VirtualBoxとUbuntuを使用した方法」のみとなるので注意しましょう。

まずは、Windowsのデータ取り出し手順から確認していきます。Windowsのデータ取り出しで紹介する方法は「Ubuntuを使用した方法」です。

「VirtualBoxとUbuntuを使用した方法」はこの後のMacの手順で紹介するので、それぞれ確認したい方法を参考にしてください。

もし、少ない手順でデータ取り出しを行いたい場合は「Ubuntuを使用した方法」を利用しましょう。

しかし、こちらの手順は2GBのUSBが必要になります。

余計なお金をかけたくないという人は、「VirtualBoxとUbuntuを使用した方法」がおすすめです。
      

Windowsの場合

それではWindowsのデータ取り出し方法を解説します。

事前準備

事前準備として以下のものを用意しましょう。

  • USBメモリ(2GB以上)
  • 故障したNASから移動するための外付けHDDケース
  • データ保存用外付けHDD

パソコンの起動モードを確認

今回の方法は、初期化されたUSBメモリにLinuxを保存し、そのUSBから起動します。

LinuxをUSBに保存し、起動させるにはパソコンの起動モードを確認しておく必要があるでしょう。

パソコンの起動モードは、UEFIモードとBIOSモードの2つがあります。

  1. スタートボタンを押下
  2. プログラムの検索窓にWindowsPowerShellを入力
  3. WindowsPowerShellのウィンドウが開く
  4. msinfo32と入力し、Enterを押下して実行

これにより、システム情報のウィンドウが開きます。使用しているPCがUEFIモードの場合、「BIOSモード」と「セキュアブートの状態」という項目が表示されるでしょう。

表示された項目にこれらがない場合、BIOSモードの起動となっています。

Ubuntuのダウンロード

Ubuntuのダウンロードを行います。

  1. Ubuntu公式HPに移動する
  2. ubuntu-ja-20.04.1-desktop-amd64.isoというファイルを押下
  3. PCに保存

このファイルを使用して、Linuxを起動するためのUSBを作成します。

Linux起動用のUSBを作成

USB作成には「Rufus」というフリーソフトを使用しましょう。

  1. Rufus公式HPに移動
  2. Rufus 3.11 (1.1 MB)を押下
  3. 保存先を指定してダウンロード

「Rufus」のダウンロードが完了した後は、PCの起動モードによって作成手順が変わります。UEFIモードでの起動の場合は、以下の手順で行いましょう。

  1. USBメモリを差し込む
  2. Rufusを起動
  3. デバイスが差し込んだUSBになっていることを確認
  4. ブートの種類にubuntu-ja-20.04.1-desktop-amd64.isoを選択
  5. パーティション構成をGPTに設定
  6. ターゲットシステムをUEFIに設定
  7. スタートボタンを押下
  8. 「選択されたイメージはISOHybridです。」のウィンドウが表示されるので「ISOイメージモードで書き込む(推奨)」にチェックを入れる
  9. OKを押下
  10. USBデータの消去に関する警告が表示されるのでOKを押下

BIOSモードの起動の場合、手順6のパーティション構成を「MBR」に設定し、ターゲットシステムを「BIOSまたはUEFI」に設定してください。

NASからHDDを取り出しHDDケースに移動する

故障したNASからHDDを取り出し、用意しておいたHDDケースに移動します。

注意点として、HDDがNASのどこに入っていたのかをわかるようにしておきましょう。

HDDの順番が入れ替わってしまうと、内部データの破損に繋がります。

Ubuntuの起動

故障したNASからHDDの取り出しが完了したら、Ubuntuの起動を行います。

  1. パソコンをシャットダウン
  2. 作成したUSBをパソコンに接続
  3. パソコンをUSB起動で立ち上げる
  4. インストールウィンドウが立ち上がるので、必ず「Ubuntuを試す」を選択する

以上で、Ubuntuの起動が完了です。手順3のパソコンのUSB起動の方法は、電源を投入しWindowsが起動する前に特定の操作を行うことで可能になります。

この操作は使用しているPCのメーカーによって違うので、下記の表を参考にしてください。

PCメーカー 操作
NEC 電源を入れ、F12を連打
富士通 電源を入れ、
F11またはF12を連打
パナソニック ※手順が多いので、
下記で解説
東芝 電源を入れ、
F2またはF12を連打
VAIO
(SONY)
電源を入れ、F11を連打
レノボ 電源を入れ、F12を連打
DELL 電源を入れ、F12を連打
HP 電源を入れ、F9を連打
ASUS 電源を入れ、F8を連打
マイクロ
ソフト
(Sutaface)
「音量ー」と「電源ボタン」を同時に押し、
電源が入ったことを確認出来たら上記のボタンから手を離す

使用しているPCがパナソニック製の場合、少し手順が複雑になります。パナソニック製パソコンでのUSB起動の手順は以下の通りです。

  1. 電源を入れ、F2を押下
  2. セットアップユーティリティが開くので、起動タブまで移動
  3. 起動オプションの中でハードディスクの#を確認
  4. ハードディスクの起動オプションを、USBより下に下げる

以上が、パナソニック製パソコンのUSB起動方法になります。また、手順4では絶対に「Ubuntuを試す」を選択しましょう。

「Ubuntuをインストールする」を選んでしまうと、データが全て消えてしまいます。

RAID設定のアドオンソフトをインストール

RAID設定のアドオンソフトをインストールします。

  1. 左下の升目アイコンを押下
  2. ソフト一覧から「端末」を押下
  3. 「ubuntu@ubuntu:~」というウィンドウが開く
  4. ubuntu@ubuntu:~$の下に「sudo apt – get install mdadm」と入力
  5. コマンドが終了したら「exit」と入力し、終了

以上で、RAID設定のアドオンソフトがインストールできました。

NASから取り出したHDDからデータを外付けHDDに保存する

故障したNASから取り出したHDDのデータ取り出しを行いましょう。

  1. ケースに移動したHDDをPCと接続
  2. Ubuntuの左下にある升目アイコンを押下
  3. ソフト一覧から「ディスク」を押下
  4. 画面上に「ハードディスク」や「アレイ」が表示される
  5. 「アレイ」から一番大きなものを選択
  6. 「アレイ」の画面に表示されている▶ボタンを押下
  7. RAIDアレイが接続され、画面上にアレイのアイコンが作成される
  8. 画面上に作成されたアレイからデータを外付けHDDへ移動
  9. 移動が完了したら「アレイ」画面の▶マークが■に変わっているので押下

これで、故障したNASのHDDから、外付けHDDにデータ取り出しができました。以上がWindowsでの、故障したNASからのデータ取り出し方法になります。

次に、Macでのデータ取り出し方法「VirtualBoxとUbuntuを使用した方法」について解説していきます。 
              

Macの場合

Macの場合

PCがMacの場合は、VirtualBoxという仮想環境を設定し、その上でUbuntuを動かしていくことになります。

事前準備

事前準備として以下のものを用意しましょう。

  • 対象のPC(空き容量20GB以上)
  • 故障したNASから移動するための外付けHDDケース
  • データ保存用外付けHDD

今回の方法は、データ取り出しのために仮想環境を設定します。そのため、空き容量が20GB以上のPCを用意しておきましょう。それ以外に関しては、Windowsのデータ取り出しの準備と変わりません。

VirtualBoxをインストールする

仮想環境となるVirtualBoxをインストールします。

  1. VirtualBox公式HPに移動
  2. OS X hostsを押下
  3. ダウンロードしたVirtualBoxを開き「1 Double click on icon:」をダブルクリック
  4. 画面の指示に従ってインストール

これでVirtualBoxのインストールが完成です。

VirtualBox拡張パックをインストールする

次は、VIrtualBoxの拡張パックをインストールしていきます。

  1. VirtualBox公式HPに移動
  2. All supported platformsを押下
  3. ダウンロード完了後、ダブルクリックしてインストール
  4. 画面の指示に従ってインストール

これで拡張パックのインストールが完了です。

ファイル圧縮·展開ソフトと仮想環境イメージをダウンロード

仮想環境を作成するために、ファイル圧縮展開ソフトと仮想環境イメージをダウンロードします。

  1. App StoreでThe Unarchiverをインストール
  2. osboxesのHPに移動
  3. VirtualBox(VDI)64bitを選択(2020年10月現在はUbuntu 20.04 Focal Fossa)
  4. Infoタブを押下し、passwordを確認しておく(上記バージョンの場合はosboxes.org)
  5. 保存先を設定し、ダウンロード
  6. The Unarchiverを使用し、ファイルを展開
  7. フォルダ「64bit」が生成され、Ubuntuのvdiファイルが格納される

これでファイル圧縮·展開ソフトと仮想環境イメージのダウンロードが完了です。

仮想環境を新規作成

仮想環境を新規に作成します。

  1. VirtualBoxを起動する
  2. 「名前とオペレーティングシステム」のウィンドウが表示される
  3. 「名前:Ubuntu」「マシンフォルダー:変更なし」「タイプ:Linux」「バージョン:Ubuntu(64-bit)」を設定
  4. メモリーサイズを設定
  5. VirtualBoxの設定はいじらず、「64bit」フォルダに生成されたvdiファイルを確認
  6. 個人フォルダに生成されている「VirtualBox」フォルダ内の「Ubuntu」フォルダにvdiファイルを移動
  7. VirtualBoxの設定に戻り、ハードディスクのウィンドウを表示
  8. 「すでにある仮想ハードディスクファイルを使用する」にチェックを入れてフォルダマークを押下
  9. 追加アイコンを押下し、移動させたvdiファイルを選択
  10. 作成ボタンを押下

これでUbuntuの仮想環境の新規作成が完了しました。

仮想環境の起動テストを行う

仮想環境の作成が完了したら、起動テストを実施します。

  1. VirtualBoxマネージャーでUbuntuを選択し、起動を押下
  2. ログイン画面が出るので仮想環境のインストールで確認したPasswordを入力(osboxes.orgなど)
  3. Ubuntuのデスクトップ画面が表示

これで仮想環境の起動テストが完了です。しかし、このままだと画面サイズの変更ができません。その場合は、追加ツールをダウンロードしましょう。

追加ツールは、ubuntuを起動し、メニューから「デバイス」→「Guest Additions CD イメージの挿入」を選択します。インストール画面が出るので実行し、認証ボタンを押下しましょう。

暗い画面に英字で「Press Return to close this windows」と表示されたら、Enterキーを押下して完了です。

RAID設定のアドオンソフトをインストール

Windowsの「RAID設定のアドオンソフトをインストール」と同じです。

USB外付けハードディスクを接続し認識させる

故障したNASからのデータ取り出しのために、外付けHDDを接続しましょう。

  1. VirtualBoxマネージャーを起動(Ubuntuの電源は落としておく)
  2. 設定を押下
  3. 左のアイコン列からUSBを押下し、USBコントローラーにチェックが入っていることを確認
  4. USBは3.0を選択(上手くいかなかった場合は変更)
  5. この画面を閉じないで外付けHDDをUSBに接続
  6. 開いたままの画面の右にある「USBマークに+」のアイコンを押下
  7. USB機器から外付けHDDを選択し、OKを押下

以上で、外付けHDDの接続と認識は完了しました。

NASのHDDを復旧する

具体的な手順はUbuntuを起動した状態で、Windowsの「NASから取り出したHDDからデータを外付けHDDに保存する」で説明した内容と同様のことを行います。

まとめ

今回は故障したNASからのデータ取り出し方法について、WindowsとMacそれぞれにおける方法について解説しました。

この方法でも、もしデータ取り出しが行えなかった場合は業者へ依頼することをおすすめします。

この方法を参考にNASに入っている大切なデータを守りましょう。